コンパクトデジタルカメラがスマートホン内蔵カメラにおされて、売れなくなってからしばらくたちました。スマホとの差別化が出来ているコンデジは今でも売れており、トレンドとしては高級化か防水機能です。2019年夏における、おすすめの防水カメラを紹介します。
選択のポイント
広角側の焦点距離が短い機種を選ぶ
防水カメラの選択で重要なのは、広角側の焦点距離です。極力、広角側の焦点距離が短いものを選びましょう。焦点距離は、カメラの仕様をみて下さいね。以下の例だと、フルサイズ換算で25mmです。カメラのレンズに書いてあるmm単位の数字です。単に焦点距離を見ると、基準が合わないので、フルサイズ換算とか35mmカメラ換算等の表記(以下の場合カッコ内の数字)を参照しましょう。
例:焦点距離(35mmカメラ換算):4.5mm ~ 18.0mm(25mm ~ 100mm)
なぜ焦点距離の短いレンズが良いかというと、水中は空気中と屈折率が異なるため、焦点距離が1.33倍に伸びるためです。
上記の25mmとすると、33mmになります。これは、あまりワイド感がないです。ここでは細かい説明は省略しますが、水中は望遠があまり適さない環境と思って下さい。
防水性能の高い機種を選ぶ
防水性能は、「JIS / IEC保護等級8級(IPX8)」などで記載される、15mm等の記載です。
これが大きいほど、水圧に耐えられます。ただし、メンテナンスがちゃんとしていないと、意味が無いので適切な知識を持って、メンテナンスして下さい。過信できませんが、数字は大きいに越したことはないです。
拡張性と費用のバランスを考える
上記2点を押さえたら、どこまで自分が拘るかで、拡張性を考える必要があります。当然、拡張性が高い方が、値段も上がりますし、拡張する機材の値段も追加されますので、自分自身がどの様な被写体を対象にするかで考える必要があります。
画素数は参考程度
どうしても高画素に拘るのでなければ、画素数は参考程度と考えて下さい。高画素には高画素のメリットがありますが、その分ノイズが乗りやすいというデメリットもあります。水中は暗いですから、ISOを上げて高感度に頼ったとき、ノイズだらけとなれば残念な結果になります。
主な仕様の比較
2019夏の段階で普通に購入出来そうな機種は主に以下の通りです。CanonとSonyにラインナップがないのが印象的です。
カメラ | 焦点距離/F値 | 防水性能 耐衝撃 | 画素数 | 価格※ | 備考 |
ニコン COOLPIX W300 | 24mm~120mm F2.8~F4.9 | 水深30m 2.4m | 1605万 | 約28千円 | |
Panasonic LUMIX DC-FT7 | 28mm~128mm F3.3~F5.9 | 水深31m 2.0m | 2040万 | 約41千円 | ファインダー |
Olympus Tough TG-6 | 25mm~100mm F2~F4.9 | 水深15m 2.1m | 1200万 | 約50千円 | |
Olympus Tough TG-5 | 25mm~100mm F2~F4.9 | 水深15m 2.1m | 1200万 | 約43千円 | 旧型 |
RICOH WG-6 | 28mm~140mm F3.5~F5.5 | 水深20m 2.1m | 2000万 | 約39千円 | リングライト |
RICOH WG-60 | 28mm~140mm F3.5~F5.5 | 水深14m 1.6m | 1600万 | 約26千円 | リングライト 旧型 |
富士フイルム FinePix XP140 | 28mm~140mm F3.9~F4.9 | 水深25m 1.8m | 1635万 | 約23千円 |
※価格は、価格COMを参考にざっくり見ました。
2019夏の防水カメラを選ぶ
バランスの良さから一番は COOLPIX W300
一般的なシュノーケリング等の利用では、水深30mのタフさに値段の安さ、焦点距離が24mmからと魅力たっぷりでバランスが良いので、 COOLPIX W300 が一番おすすめです。ちょっと、個人的にも欲しいです。
パナソニックのLUMIX DC-FT7は、ファインダーを持っているので、眩しい砂浜などでしっかり構図を確認出来るのがメリットですが、そのためにCOOLPIX W300との値段差を出すかです。パナソニックは、Nikonのコンセプトに対抗してますね。RICHOは、Olympus対抗感がありますね。リングライト内蔵が特長ですが、中途半端と思います。値段だけなら富士フイルムですね。
<注意>
W300は水深30mとありますがダイビング用として過信しない方が良いです。(他のカメラも同様)そっと圧力をかける分には30mまでOKの仕様ですが、ダイビング中には岩に捕まったりする時などカメラをぶつけたりするリスクがあります。水圧をかけて衝撃まで与えて、カメラが耐えられるかというと違います。こんな時は想定を超えて水没ほ可能性があります。また、防水のための加工ですが、Oリングがあるわけではなく、防水プロテクター(ハウジング)のように十分な防水のためのメンテナンスもしづらいので、安全を考えるとダイビング利用としては注意が必要です。
ダイビングまでの拡張性を考えると Olympus Tough TG-6/TG-5
本格的にダイビングまで通用する、防水カメラとしてはOlympusのTG-6かTG-5で決まりです。TG-6とTG-5の差は殆どありません。少しでも安くしたければ今のうちにTG-5と思います。
拡張性としては、専用の防水プロテクター(ハウジング)であるPT-059/PT-058があります。防水ケースがあれば、ストロボに対応させたり様々拡張可能です。
ハウジングを使わなくても、ワイドコンバージョンレンズやテレコンバージョンレンズ、リングライト等拡張性は十分です。F値の明るさや高感度性能を活かすための低画素化、4倍に抑えた光学系など、内容としても玄人好みの良く考えられたカメラです。
本格的にダイビングに使い始めても、顕微鏡モードが秀逸で、ライティングに拘れば、本格的なダイビングでのマクロ撮影も可能で、利用範囲は本当に広いです。
私は、Olympus TG-5を持っています。素晴らしいカメラと思います。
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