水中写真を始める上で理解したいこと

水中での光の性質

 Level1のシュノーケリングのところでも、多少記載しましたが、シュノーケリングは気軽に始める方も多いので面倒な説明は省略しました。ダイビングとのなれば、関心も強いでしょうし、改めて記載します。

赤い光がなくなり青い光が強調される

 水中写真は、地上と比べ何が一番違うかというと光です。地上では人間の可視光は、吸収されることなく空気中と通り抜けます。ところがこの可視光は、水中では赤い光(波長が長い)からどんどん吸収され、青い光(波長が短い)が比較的吸収されにくいです。以下のグラフは、ある水中写真のトーンカーブの例です。R(赤)が左よりで光の成分が少なく、B(青)が右よりで光の成分が多いです。もっと深くなると、R(赤)が無くなり、G(緑)もなくなって、最後にはB(青)もなくなります。地上ではこのRGBが通常バランスよく重なります。

被写体との距離との関係

 そもそも地上から光の成分が十分に届いている浅い海でも上記のトーンカーブの様に赤が弱くなります。その上で被写体と距離があると、被写体から反射した光がカメラに届くまでにまた赤や緑が弱くなります。この性質を理解することが重要です。

水中写真でのポイント

ダイビングスキルなど、当然いろいろポイントはありますが、重要なのは以下の3点です。

より近づいて写す(マクロ)

 光の性質から、水中写真でしっかりと色を出すためには、可能な限り被写体に近づく必要があります。近づけば近づくほど、カメラに赤い光を届けられます。もちろん、浮遊しているゴミなどを目立たなくする効果もあります。
 近づけば近づくほど良いとなると、極力近づいてもピントが合わせられるカメラ(レンズ)必要になります。そうなるとマクロになります。水中写真ではマクロが最も多い分野ではないかと思います。

より広角で写す(ワイド)

 また近づけば近づくほど、水中の風景全体を撮ることが難しくなります。この場合、よりワイド(広角)のレンズが欲しくなります。また、一般的にワイドは最短撮影距離が十分に短いので近づけます。究極は魚眼レンズです。水中写真では魚眼レンズを使っての作品も多いのはそのためです。
 ※ダイビングでよく使われるTG-5などのカメラには、水中(ワイド)と水中(マクロ)のモードがあります。水中(望遠)がないのは上記理由です。

より光をたくさん得る(明るいレンズ、ストロボ)

 水中は、とても暗いです。綺麗な海で太陽が真上にあるときでも、地上に比べると暗いです。その上、水中で魚など動く被写体を撮影するとなると、光が弱いとどうしても、シャッタースピードが稼げず、被写体ブレを起こします。より明るいレンズとストロボが欲しくなります。

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